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「治療しない」選択

まれにご高齢の歯科医で
自分の口の中に
虫歯があっても
何十年も
治療せず、放置したという
人達がいます。

虫歯があることには
当然気づいているのですが
治療せず、
痛くなっても何とか薬などで
その時期を乗り切り

虫歯が拡大し
歯髄が死んで
根の先に炎症が生じ

さらに虫歯が拡大して残根状態になり
ついに歯が割れて
それでも放置して

おそらく隣の歯が歯のない部分に倒れこみ
反対側の歯は伸びてしまい
噛み合わせのバランスも崩れているでしょう
負担過多でその周りの歯も痛んだかもしれません。

治療しないことに決めたのだ
と言ってました。
まあ元気そうですが

昔は歯の炎症で亡くなる人もいたわけですが
今は抗生物質があるので
特別な事情がない限り
亡くなることはないと思います。

腫れたり痛んだり、
いろいろ大変なこともあったのだと思います。
免疫力も、噛み合わせの変化などへの体の適応能力も、
運もよかったのかもしれません。
生体は時に驚くほどの適応能力を示すこともあります。

でもこの
「治療しない」という選択は
すべての事を「受け入れられる」、「我慢できる」人にしか
おすすめできません。

治療しなかったらどうなるか、
それを受け入れる考え方もある、という話は
治療方針の相談の際に
私から聞いた患者様も
いると思います。

ごく小さな虫歯に対する戦略
グレーゾーンの歯の治療に対する考え方
以前にもブログで書きましたが

ただ多くの場合
虫歯の放置は
おすすめできることではありません。

いろんなことを受け入れていくことを
「自然派」な考えてとして
良しとする向きも世間にはありますが

虫歯の放置は
ちょっと違う気もします。

人類が炭水化物を加熱調理して
虫歯を作るようになってから
大して時間がたっていません

生命の進化の歴史から見てです。

虫歯を作る状況こそが
生物にとって不自然であり、

私が考える最も「自然派」な方法は
虫歯の穴を小さいうちに最小限の充填で治療し
できるだけ
天然の歯質を残すことだと考えます。




 
2022年01月16日 23:18

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